「お応えします・4」 その1

       視点の発見を求め続ける人であり続けて欲しい

    書くことは問うこと

 

「書くことは問うことから始まる」

作文・レポート・小論文は、どう評価されるのでしょうか。

Educationaletwork  Journalには、一番に『内容の充実度』があげられている。発見の面白さや、独自性、視点のとりかたが的確であること。例示の巧みさ。取り上げる情報が正確であること。文章としての読む価値の評価。とある。

 

新聞記者がコラムを書くとき、ほとんどの精力を材料集めに集中するという。一本を書くのに、最低5つの話は必要になるそうだ。今、生徒たちは、どういう目でどういう見方でものを切り取るか、その素材集めに苦労している。視点を作るためには、じっくりとものを見、そして考えることだ。「こういう見方もできるじゃないか」そういう断面を見つけたとき、視点が成立する。

 

日経新聞の「あとがきのあと」2023107に「身近な問題も『問い方』を変えれば異なる解決法を見つけられる。たとえば不登校の子を持つ親なら「『どうしたら学校に行かせられるか』が一般的な問い方だ。しかし、答えを学校に行くことだけに限ると行き詰ってしまう。そこで、前提を変え「学校に行かなくても何をどう学ぶか」と問い直せば、新しい選択肢を探せるようになる。問いを通じて、常識や思い込みかあら自由になるプロセスを重視する」と記されている。

 

普段は何気なく見ているものでも、しっかり描写しようと試みていると、思わぬ点が見えてくるものだが。

それには、「ふと心にあたってくるもの」をすくい上げることが必要だ。文は短く、ごまかしなく、一文いちぶんを繋いでいく。ごまかしがなければないほど、文章はおもしろくなる。生徒たちには是非とも、視点の発見をめざす人であり続けてほしい、と思う。

 

 

            「お応えします・4」その2

    幼稚園からでも「新聞学習」「図書研究」「言葉図鑑」その2

 

子どもたちは「さあ次は何だ」というような気持で、この時間を待ってくれている。一回いっかいことばが増えていく。難しい言葉を使うのは「手ごわい」と感じるようだが、大人扱いされているようで、うれしいとも言う。

 

         次に、幼稚園・小学校低学年の「学習記録」を掲げます。

 

    えほんの よみきかせを してみましょうかって ママと はやしせんせいが そうだんした。

    『まいにちがプレゼント』いもとようこ 金の星社  年長:Kのおはなし

ぼくは テレビを いっぱい みてたきがする。

ママと はやしせんせいが 「えほんの よみきかせを してみましょうか」って そうだんした。それで このごろ じぶんでも よめるように なった。

ぼくが じぶんで よめないところを ママがよんでくれる。

だけど やっぱり テレビを もっと みたい。

テレビは あさ みるのが すき。

Eテレを みる。

ガマンは すこし できるけど 8じまで ぜんぶ みたい。

 

『まいにちがプレゼント』は いちばんさいご ねてるところが すき。

はっぱに いっぱいかこまれて ねてるところがかわいい。

まるくなって ボールみたいで かわいかった。

はりねずみは きょうを プレゼントされた。

ぼくも まいにちを プレゼントしてもらっている。

いつもに プレゼントされている。

いつもって きのうと きょうと あした。

はりねずみは たまに うずくまって かんがえる。

きのうが きょうか わかんなくなって かんがえる。

きのうと きょうが わからなくなって さみしくなる。

はっぱに かこまれていると かんがえること わすれて ねちゃう。

 

 

     まがるとき「うん」ってしたよ 年中:Uさんのお話

わたしね、はやしせんせいのとこにいく。

はじめたばっか。

ペロペロキャンディーをかいたよ。

せんがあたらないように、よくみたよ。

もつとこがぴんとするようにした。

しかくのペロペロキャンディーは、まがるとき「うん」ってしたよ。

 

 

  「だいじょうぶですよ」 年長 きよ

ぼくの いえの いぬが、かいだんを のぼれなくなって、かいだんから ずっこけて おちるようになった。おかあさんが、二かいのヒーターのまえに だっこして つれていく。

 

どうぶつびょういんにいくと、びょうきや けがをしたどうぶつが きている。せんせいが、かいぬしさんや どうぶつに 「ちょっと あずかっていいですか」とか「だいじょうぶですよ」っていっている。せんせいは、ちゅうしゃもできて、かっこいい。

それで ぼくも どうぶつのおいしゃさんに なりたいとおもった。

 

 

  「生き物たちのエレガントな数学」小3:K

はやしに「生き物たちのエレガントな数学」という本がある。

目次を見ていて、ぼくが育てているサボテンのことを考えてみようと思った。ぼくがサボテンを育て始めたきっかけは、テレビの「相棒」だった。捜査の場面で、図書館の資料室にたくさんのサボテンがあった。並べきれないくらいのサボテンが音を吸収してくれるのかなと思った。

 

ぼくの家はとにかく弟がうるさいので、ぼくの机の上にサボテンを置いてみようと思った。日中は日の当たる窓辺に置いて、2週間に一回水やりをした。4月にはピンクと白の小さい花が咲いた。音は量れないけれど、弟が静かになったような気がする。気のせいじゃなくてそう思う。でもこの本には、サボテンが音を吸収することについては書かれていなかった。ちょっとがっかりだったけど、発見があった。サボテンを毎日見ていて、トゲがらせん状にきれいに並んでいることに気付いたことだ。大きくなってもきれいならせん状は崩れない。

 

本には「黄金角で葉序をつくるとフィボナッチ数列が表れ、植物は黄金角で回転しながら葉や花、芽を作っていると考えることができる」とあった。研究すれば、そういうことになるのだろうけれど、サボテンは分度器を持っているわけではないのに、どうしてなのかなと思う。本では、その答えは「まだわからないこと」となっていた。