〈アンリ・ファーブルの自然科学物語〉

 

中学3年のT君が、林先生と「働かない働きアリ」の話をしていたことがきっかけとなって、「ファーブルの科学読み物」を読んでゆくことになった。ファーブルのことは知ってはいたが、初めて理解できたことがたくさんあった。100年前(日本の明治時代前半)のファーブルが、まるでぼくたちのそばで、わかり易い言葉で語りかけてくれるような内容だったからだ。

 

幼虫が一人前の働きアリになるまで、働きアリが育てる場面では、『幼虫を口で巣の中でも一番いい所へつれていって、そこでしばらくの間、太陽の暖かい光にさらしてやる。この日光浴がすむと、幼虫のために、特別につくってある部屋に連れ戻る。そして今度は幼虫に食べ物を与えなければならない』『腹の空いているアリは、その触覚で食べ物を持っている他のアリに合図する。すると合図を受けたアリはすぐそのアリのそばに近よって、口を開けえ舌を出して、甘い汁を分けてやる。この間、汁をもらうアリは触覚と前脚とで汁をくれるアリを撫でたりさすったりする』 

 

絵を描くのが苦手なぼくが、触覚と前脚で汁をくれるアリを撫でたりさすったりしている絵を描きたくなったのだ。楽しかった。

ファーブルの自然科学読み物は、本場のフランスでも忘れ去られているそうで、もったいないと思った。

                                 『』は仮説社『楽しい授業2019・4』 『生類憐みの令』から引用